全国の自転車通勤者の集まり?坂道自転車通勤隊とは?

外からみた坂道自転車通勤隊

坂隊とは?ってページを書いてみて、過去、坂隊を取り上げていただいた雑誌や新聞記事のほうが、さすがプロが書いた文章とだけあって分かりやすいです。

ファンライド外の方々からの視点で坂隊を紹介していただいた中でも、とても良い感じで坂隊をフィーチャーしてくださったのが、funrideさんの「ジテツウstyle」というコーナーの記事でした(・・・というか、他の記事とかVTRとか、手元に無いの(笑)。実をいうと)。

で、それ以来、「坂隊ってナニ?」って問いには、この雑誌の記事をご覧いただいてます。とはいえ、いちいち渡すのも面倒になってきましたので、「ウェブに載せてしまえ」と考えまして、こちらのページを作ることにしました。

というわけで、このfunrideさんの記事をウェブに載せておきます。無許可ですけど、たぶん、取るに足らないサイトの片隅に、ぽつんとたたずむこのページの存在からして、怒られることはないであろう。

全文は掲載誌「funride2007年6月号」にてご覧下さいませ。ファンライドさんのサイト「バックナンバー」コーナーで買えるみたい(2008年春現在)。

ジテツウstyle『funride2007年6月号』(2007)株式会社ランナーズ,pp.78-79

坂道ツーキニストをネットでつなぐ
坂道自転車通勤隊

河岸段丘で
坂だらけの町

ファンライド誌面あの坂を登れば会社が見える―。
人気サイト『坂道自転車通勤隊』のキャッチフレーズの理由は、一度その発祥の地を訪れてみればわかる。長野県南部の飯田市。東に南アルプス、西に中央アルプスを望む「伊那谷」の底、天竜川のほとりに立って市街地を見渡すと、階段状の地形が見て取れる。急な崖(段丘崖)と平らな段丘面が交互に現れる、典型的な河岸段丘だ。

"人気サイト(笑)"ってあたりは、客観的にみて意義アリでしょうけど、河岸段丘のくだりは間違いなくそのとおり。大学時代、隊長@坂道の専攻は地理学という学問でしたが、1年生の最初の宿題はこの伊那谷(しかも、飯田あたり)の地形図の畑と田んぼを色鉛筆でひたすら塗るつくす、というものでした。そうすると、段丘がくっきりでてくるの。ここら辺は日本を代表する河岸段丘地帯です。

(中略)
隊長は、ママチャリで50kmぐらい平気で走ってしまう子どもだった。中学時代にランドナーを買い、大学を出るまでに日本の大半を旅してまわった。長野の企業に就職したのも「自転車に乗るなら北海道か長野」と心に決めていたからだという。
(中略)
待望していた「安曇野」ではなく伊那谷に配属されたのは誤算だったが。

自転車との出会いは小学校のとき。友達に誘われて遠出したのがきっかけで、思えば、興味本位で激坂を見に出かけるサイクリングでした。自転車の道に導いてくれたこの友達とはその後会うこともなくなり、長いときが流れてしまったのですが、その友人の名前を最近飯田に本拠地を構えたボンシャンスの監督鈴木雷太さんからお聞きしてびっくり!なんでも、いっとき同じチームにいたとのこと。ロードレースやってるって人づてに聞いていたけど、まさかね。今も元気みたいでなによりです。

(中略)
自転車通勤初日、「会社に着くと一日が終わった気分」というほどきつい思いをしたという。
「片道13km余り、往きはほとんど上りでした」

そんな自分も、この地に来てから自転車とはちょっとブランクがあって(ランドナーが大家さんに捨てられる事件などを経ている)、まずはと自転車通勤から始めてみたのです。実はこれが間違い。遅刻するわけにはゆかないオーバーペースってのは、なまった身体とこの地形にして正直きつかったっす。

北海道から九州まで
隊員130人

自転車で通いだしてまもなく、日々の通勤をテーマにホームページを立ち上げようと思いつく。
(中略)
「ただ自転車通勤のサイトでは芸がない」と考えて閃いたのが、朝な夕な、苦しめられている坂だった。

「坂の多いところ住んでいたり、坂を避けては通勤ルートを取れなかったり、という人は日本中にいるだろう、と」
『坂道自転車通勤隊』の誕生だ。
「隊員登録をしていただくと、あわせてそれぞれ地域の坂の度合いを5段階評価(最高は五つ★)してもらっているんです。★三つとか四つとか言っても、具体的な基準があるわけじゃありません。だけど、こんな『遊び』があれば、イヤな坂も楽しみに変わるじゃないですか」
(中略)
「初期の目的は果たしてしまった」と言うが、『坂道自転車通勤隊』は予想外の展開を見せている。

まず、北海道から九州まで全国津々浦々に隊員約130人を数えるまでになったこと。

そうなんですよね。こうして皆さんと出会うことになりました。日本各地の自転車通勤事情をお聞きするだに、日本は坂が多いんだなーって、あらためて実感します。旅して回った時はさほど気にならなかったのは、きっと遊びだったからだろうね。自転車通勤って必死だよね。会社にたどり着けるのかしら?って心配になる時あるもの。

(中略)
そして最近、このサイトが飯田のサイクリストをつなぐ役割を担いつつあること。

飯田市は人口10万7000を擁するが、スポーツバイク専門店が一軒もないという。長野と松本に店舗をもつショップが一度は出店したものの、「飯田では商売にならない、と」店を閉じてしまったほど、自転車不毛の地。

言い得てますね。でもね、ボンシャンスのクラブハウスに自転車サロン風のお店がオープンするんですよ!朗報!めでたい!

「この坂ですから、普通、自転車に乗ろうなんて思いっこない(笑)」
「準隊員」の蝉さんは、「フレンチバルブのチューブ1本だって『都会』に出たときに買う」と言う。ちなみに蝉さんは自営業で通勤がないため、準隊員。

ハンドルネーム「蝉」さんでよかったよね。変なのだと、雑誌に載せられないじゃない。妙に長いのとか。省略されたりして(笑)。

自転車に乗ることを
選ぶ人生もある

飯田で生まれ育ち、東京の会社勤めからUターンした蝉さんの分析は鋭い。
「田舎でクルマを使わず自転車に乗っているのは、変わった人」

だいたい満員電車に乗らずにすむとか、渋滞の中クルマより自転車の方が早いなんて自転車通勤のメリットは、田舎には当てはまらない、と。
(中略)
そんな土地柄だから、自転車を密やかな楽しみにしてきた愛好者らが、『坂道自転車通勤隊』を寄る辺とするのも無理はない。
しかも2年前から飯田では、ツアー・オブ・ジャパン南信州ステージと実業団ロードレースが開催されるようになった。通勤には不向きな地形も、レースとなると別だ。「ヨーロッパの山岳コースのよう」だと絶賛され、晩秋には、実業団チーム「ダイハツ・ボンシャンス」が自転車では初の試みとして、飯田をホームタウンとすることが決定。
(中略)
「長年、不遇を囲ってきたサイクリストには、夢のような話だと思いますよ」

そのとおり(感涙;

市当局や一般の市民の間でも、自転車は少しずつ浸透しつつある。しかし東京や名古屋のような「自転車ブーム」にはまずならないだろう、と隊長も蝉さんも言う。「だって健康にいい、ガソリン代が浮くっていうくらいしか、メリットはないんですから」
会社では未だに「変人」と言われる。取引先に自転車で行けば「免停か?」と聞かれる。実際、時間もかかるし汗もかく。それでも今日もペダルをこぐのは、そういう「行き方=生き方」が享受される町は暮らしやすいはずだ、と願うからだ。

こういう自転車ライフがある田舎の町ってスローな感じしませんか?だって、自転車通勤しようと思ったら朝早く起きなきゃダメだし、そうなると深夜まで残業なんてやってらんないし、取引先に自転車で行くのだって自動車に比べたら圧倒的に時間のロス。そのロスが認められるってことは、ゆったり時間が流れている証拠だもの。

なーんて甘いこと考えつつ、月100時間残業をこなしながら木枯らし吹きすさむ深夜、自転車をかっ飛ばしている隊長です。そう、現代日本にそんなユートピアなんてないのだ。だから、『逆境を自虐的に楽しむ』坂道自転車通勤隊。

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おかげさまで坂道自転車通勤隊は誕生7周年を迎えることができました。多くの方々と坂道のおかげで楽しく可笑しい自転車通勤ライフを送ることができました。ありがとうございました。